堕天王の逝く道

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zoom RSS 『一航線と五航戦』 艦これ二次創作小説

<<   作成日時 : 2014/09/14 19:40   >>

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艦これの二次創作小説です。
苦手な方、興味のない方は、避けてください。

登場する艦娘は、赤城、加賀、瑞鶴です。
私の鎮守府では、赤城→瑞鶴→加賀→翔鶴の順番での着任で、赤城と瑞鶴の時代がとても長かった。そんなこともあって、このお話を思いつきました。私の加賀着任の喜びを含めた、そんな小説です。




  一航線と五航戦



 これはまだ、鎮守府に加賀と翔鶴がいなかった頃の話。
「五航戦の瑞鶴です! よろしくお願いします」
「一航戦の赤城です。よろしくね」
 瑞鶴は、優しげに微笑む赤城を見て、面を喰らっていた。
「あの、赤城さんは五航戦である私と一緒で、不満だったりしないのですか?」
「生まれ変わる前の事を言っても仕方がないことでしょ? 私は、今ここの鎮守府の艦娘として、瑞鶴、あなたを歓迎するわ」
「赤城さん……」
「それに、加賀や翔鶴も見つけないといけない。お互いパートナーが欠けた状態だけど、一緒に頑張りましょう」
「はい! お供します!」
 それからしばらくして、翔鶴よりも先に加賀が鎮守府に着任となった。
「加賀さん! やっと会えました……!」
 赤城は、加賀の胸の中に飛び込んだ。
「また、一緒ね」
 加賀は、嬉しそうに小さく頷いた。
「そうね。今、鎮守府には他の子たちもいるわ。私が、案内するわ」
 喜ぶ赤城に手を引かれ、鎮守府の中を散策する。
 鎮守府の案内も半ば程終わった頃、執務室がある管理棟から出てくる瑞鶴を赤城は見つけた。
「あっ、瑞鶴よ。瑞鶴!」
 瑞鶴を見つけた赤城は、すぐに彼女を呼んだ。
 加賀の眉がピクリと動く。
「赤城さん、そちらの方は、もしかして……?」
「そうよ、加賀よ。やっと見つかったの!」
「良かったですね!」
 瑞鶴は、自分の事のように喜んだ。
 仲睦まじげな二人の様子を、加賀は静かに見つめていた。
「あの、瑞鶴です。加賀さん、これからよろしくお願います」
 瑞鶴が拍手を求める。
 しかし加賀は、それに応えなかった。
「五航戦のあなたと、仲良くする気はありません」
「なっ!」
 瑞鶴は絶句した。
 赤城が慌てる。
「加賀さん!」
「私が来た以上、五航戦は不要です」
「何よその言い方……ポンコツ空母のくせに!」
 瑞鶴は、捨て台詞を吐いて走って行ってしまった。
「加賀さん、あなたはなんてことを!」
 赤城は、加賀の頭をペシリと叩いた。
「何故、叩かれたのか分からないのだけど」
「今の私たちに、過去の私たちのしがらみなんて必要ありません! 瑞鶴は、立派に役目を果たす、とても良い子よ! 加賀さんの事を、見損ないました!」
 目に涙を溜めて訴える赤城。
「あの……」
 加賀は、どうしたものかと戸惑っていた。
 言葉が思うように出ない。そんな自分に憤りを感じていた。
「私は……ここに居ては……いけない……?」
 加賀のたどたどしい言葉。
 赤城は、しばらく加賀の顔を見ていた。それから、ある事に気付いた。
「加賀さんは、瑞鶴に嫉妬していたの?」
「嫉妬? 良く……分からないわ」
「これから私たちは一緒。もう離れ離れにはならない。瑞鶴は、あなたがいない間、私をずっと支えてくれた。私は、瑞鶴が大好きよ。だから、あなたとも仲良くなって欲しいの」
「分かった。少し時間をくれるかしら?」
 加賀の言葉に、赤城は笑みを浮かべて頷いてくれた。

 三日後。十六時を少し回ろうかという時間。加賀は、堤防に座り、海を眺めている瑞鶴を見つけた。
「ず、瑞鶴……」
「加賀さん? なんですか。まだ文句があるんですか?」
 立ち上がる瑞鶴。敵愾心剥き出しである。
「その、クッキーというのを焼いたの。食べない?」
 加賀は、ラッピングされた袋を両手に持って、瑞鶴へと差し出した。
「食べ物で釣ろうと言うの?」
「……ごめんなさい。順番を間違えたわ」
 加賀は、ラッピングされた袋を胸に抱くと、頭を深々と下げた。
「ごめんなさい。あなたに、失礼な事を言ってしまったわ」
「加賀さん……」
「正直に話すわ。この鎮守府にやってきて、赤城さんと出会って、嬉しかった。けど、傍にはもうあなたがいたから。私、赤城さんと一緒に居られない気がして。私の事を許してくれなくてもいい。酷い事を言ったもの」
「クッキー貰ってもいいですか?」
「えっ? 鳳翔と作ったから、大丈夫と思うけど。美味しくなかったら捨てていいから」
 瑞鶴は、加賀からクッキーを受け取った。
「私も加賀さんに酷い事を言ってしまいました。ごめんなさい」
「それは……私があんな事を言ったからで……」
「お互いにごめんなさいをしたから、加賀さん、改めてこれからよろしくお願いします」
 瑞鶴は、満面の笑みを浮かべた。それを見て、加賀は涙ぐんでしまう。
「ちょっと、泣かないでくださいよ! 私と仲良くするのがそんなに嫌ですか?」
 慌てる瑞鶴。
「ごめんなさい。気分が高揚して。ありがとう。嬉しいわ」
 それから二人で、堤防に座って海を眺めた。
「このクッキー美味しい」
「そう? 良かった」
「私も料理を鳳翔さんから習おうかな」
「一緒にする?」
「じゃ、今度誘ってください」
 そんな風にして二人は、陽が暮れるまでお喋りを続けるのであった。

 END

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