堕天王の逝く道

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zoom RSS 『多摩強くなりたい……にゃっ』 艦これ二次創作小説

<<   作成日時 : 2014/05/22 21:00   >>

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艦これの二次創作小説です。
苦手な方、興味のない方は、避けてください。

登場人物は、多摩を含む球磨型の皆さまです。





『多摩強くなりたい……にゃっ』

「提督、入るにゃ」
 暖かな日差しが差し込む、十四時を少し回った頃。突然、多摩が執務室にやって来た。
「どうした? 秘書官でもないのに、執務室に来るなんて」
 提督は、ボールペンを置き、書類から多摩へと視線を移す。
「ちょっと話があるにゃ」
「それはいいが、ネコ語が深刻化しているぞ」
 そう指摘された多摩は、ごほんと咳払いを一つした。
「相談があるの」
「とりあえず、ミカン食うか? 田舎からたくさん送って来たんだ」
「もらうにゃ」
 語尾は、あっという間に戻ってしまっていた。
「じゃ、ミカンありがとにゃ」
「おう、欲しかったらまた来いよ」
 ミカンを食べ終えて、執務室から出て行こうとした多摩であったが、はたりと足を止めて戻って来た。
「違うにゃ。話があるんだにゃ」
「あぁ、そうだったな。なら、ミカン食うか?」
「もらうにゃ」
 多摩は、ソファーに座ると二個目のミカンを食べ始めた。
「それで話って? 多摩から話があるなんて、炬燵を回収した時以来だな」
「炬燵のことは、七代に渡って祟る所存にゃ」
 猫ではないと言っているが、それではまるで猫又である。
「そりゃおっかないな。もっとミカンを食うか?」
「食べるにゃ」
 多摩は、半分残っていたミカンを口に頬張ってから、三個目のミカンをもらった。
「ほぉがにゃががにゃが」
「飲み込みなさい」
「ん……うにゃ、多摩、強くなりたいにゃ」
 突然の事に、提督は目を瞬かせた。
「強くなりたい? 多摩は、強いだろう。練度も軽巡じゃ、一番高いじゃないか」
「そうじゃにゃいにゃ」
 多摩はソファーから立ち上がると、ミカンを両手に持って、提督の前に移動した。
「球磨姉さんは、軽巡の中では最強にゃ。北上にゃんと大井にゃんと木曾にゃんは、雷巡にゃん。強いにゃん。でも、多摩には何もないにゃん。強くなりたいにゃん!」
「お、おぉ……そうかぁ」
 提督は、多摩の真摯なる気持ちにいたく感動していた。
「多摩は、この鎮守府の古株だ。幾多の海域の突破に尽力してくれた。数値的には少し劣っていようが、多摩は間違いなくウチのエースだ。だから、多摩は十分強い。そうだろう?」
 宥めてみたが、多摩の暗い表情は晴れなかった。
「多摩は、怖いにゃん。自分が弱いばかりに、提督や球磨姉さんや北上にゃんや大井にゃんや木曾にゃんに、迷惑をかけてしまうんじゃないかって思ってしまうにゃん。このままだと、球磨姉さんを支えられないにゃん。北上にゃんたち守ってあげられないにゃん。提督の傍にいられないにゃん。だから、多摩は強くなりたいにゃん」
「そうか。分かった。上に多摩のさらなる改装を上申してみるよ」
 すると多摩は、目をキラキラと輝かせた。
「提督!」
「すぐに嘆願が通るか分からないが、俺に出来る事はやってみるさ。だから、あまり暗い顔をするな。多摩は、笑っている方がいい。ほら、もっとミカン食え」
「もらうにゃん」
「そうだ、球磨たちにも持って行け。段ボールごと持って行っていいぞ」
「本当にゃ! 提督は、太っ腹にゃん!」
 多摩は、すっかり上機嫌となり、ミカンの詰まった段ボールを持って執務室を後にした。

「と、いう事があったにゃん」
 多摩は、自室で球磨、北上、大井、木曾に提督と話した内容を打ち明けていた。
「多摩、大好きくまー!」
「姉さん、重たいにゃん」
 球磨が、多摩に抱き付いた。多摩は、ちょっと困った顔をしながらも、それを受け入れていた。
「多摩姉さんが、そんな風に思っていたなんて、驚いたよ〜」
「そうですね。多摩姉さんは居てくれるだけでとても癒されるのに」
 北上とそれに寄り添っている大井が、球磨と多摩を見守り。
「多摩姉さんが、不安にならないように俺たちも頑張らないとな」
 木曾は、少し涙ぐんでいた。
「北上にゃん、大井にゃん、木曾にゃん、ミカンをたくさん食べるにゃん」
「うん、もらうよー。ありがとね」
「私ももらいます。多摩姉さん、ありがとう」
「おう、もらうよ。ありがとな」
「球磨も食べるくまー!」
 室内には、暖かな笑いがいつまでも響いていた。

 それから――。
「提督、多摩の改装をお願いするくま。強くするくま」
「提督〜、多摩姉さんの改装をお願いしたいんだけど〜」
「提督、その……なんだ、軽巡の改装の計画とか、あったりするか?」
 各々、多摩の改装を嘆願しにやってきた。
「提督、多摩姉さんの改装をお願いたいんですけど。とりあえず、二十発撃っていいですか?」
「なんでだよ!」
 ただ大井だけ、少しおどけたようにそう言った。
 それは、少し気恥ずかしさがあったからではないか、提督は大井にツッコミを入れながら、そう思った。しかし、その事を口に出したりはしない。
 何故なら、冗談が本気となりかねないからである。




 END

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