堕天王の逝く道

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zoom RSS 原稿投函

<<   作成日時 : 2008/08/15 20:42   >>

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今日の朝、原稿を投函、振込みも終了です。あとは、向こうからのアクションに答えるだけです。
朝、最後の原稿が届いていたので、それを編集、私の作品と入れ替えました。
そして、最終確認をしていると、ノンブルを打ち間違えている事に気づいた!!
巴黎さんの作品だったんですが、思いっきり私がドジったみたいです。
慌てて、修正しました。良かった・・・。
ミスが他になければいいのですが。


さて、作品を差し替えたので、浮いてしまった作品を、せっかくだから公開しておこうかと思います。
この作品は、難産でした。テーマ『夢』が、これほど難しいとは思わなかった。
なにせ、ほとんどネタが合同誌の中で出尽くしていて、書くものがない。
しかも、編集の時に話が上がっていた、『縛り』。出来るだけ、『萌え』な話を・・・『萌え』ってなんだ?!
とりあえず、妹萌えを書いたら、被っている事に気づいてボツ。
そもそも、私が書く作品は偏っていて、明るい作品を産み落とそうとするも、上手く行かない。

一から設定を作るのが面倒になり、古い作品を掘り返したりしていたんですが、結局この作品で妥協しました。
元々は、とある大賞に出すつもりで考えていた作品なので、設定がかなり複雑。なんとか、人物紹介をくっつけたりして、緩和を図ってみたが・・・どうだろうか。
でも、この大賞に出すつもりだった作品には、大好きなキャラがいて、その人を書けて嬉しかったです。
神守樹理という、主人公の先輩。樹理・・・という名前が、私の好きさを現しています(笑。

では、合同誌に載る事がなくなった幻の一作をどうぞ。




 妖のススム道

 人物紹介
 雪霧(せつきり)潤也:除霊屋に所属していたが、ある戦いで呪われてしまう。穢れた彼は、家を追い出され、実験動物として『憩いの里』に入寮させられる。余命、幾ばくもない。
 神(かみ)守(もり)樹理:近畿地方に住んでいる天狗の一人。術で姿を変えているため、普通の女の子に見える。潤也に亡くなった弟の姿を重ねている。
 鬼道優(きどうまさる):二百年ほど昔に、人から鬼へと変わった男。ある戦いで改心し、人として過ごしている。
 倉神七代(ななよ):『憩いの里』に二人しかいない人間の一人。とある巫女の一族だったらしい。
 高橋好子(よしこ):妖狐。名前だけの出演。

 憩いの里:本来は、『妖』人ではないモノ達の集まる場所。潤也と七代は特別。
 除霊屋:妖を打ち倒す者達。


 学校から帰宅した雪霧潤也は、ロビーで頭を抱えている神守樹理の姿を確認し、彼女に声をかけた。
「神守先輩。何をしているんですか?」
「ん? あぁ、潤也か。おかえり」
 彼女は、いつものように優しく微笑みかけてくる。彼女が向かっているテーブルには、『進路希望』と書かれたプリントが置いてあった。
「進路・・・希望ですか」
「これから先、どう生きるのか決めよとのお達しさ。正直、なにも浮かばない。潤也は、将来の夢とかあるのか?」
「ないです」
 苦笑いする潤也。将来も何も、この体は呪われている。ただの実験動物に過ぎない彼は、実験動物として死ぬという未来しか用意されていないのだ。その事を知っているのは、彼とここの寮長ぐらいであるが。
「なんだ、お前たち。将来の夢の一つもないのか。嘆かわしいゾ!」
 食堂の方から、鬼道優が現れた。炭酸飲料のペットボトルをラッパ飲みしながら、彼は不敵に笑っている。そんな彼を、樹理は睨みつけていた。
「なら、お前にはあるというのか? どうせ、お前のことだ。酒と女、とか言い出すのだろう?」
「あぁん? 樹理、お前はとことん低能だな。俺の夢を聞いて、驚愕しろ! 俺はな、小学校の教師になる!」
「小学校の教師・・・?」
 潤也が繰り返す。
「・・・あぁ、遂にしまえたか。見るな、潤也。キチガイがうつる」
「樹理、お前、馬鹿にしたな? 表に出ろや!! 叩き潰す!!」
「誰が誰を? やってみろよ、外道・・・!」
「落ち着いてください、二人とも」
 潤也は、いがみ合う二人をなだめる。
「ふん・・・樹理、良く覚えておけ。死者に引きずられるのも大概にしとけ。お前はそれで満足かもしれないが、他人が巻き込まれんだよ。自重しろ」
 優は、出て行った。彼は、言葉こそ乱暴であるが、ここの寮内では最も面倒見がよく、そして最も長生きである。長く生きてきた彼の言葉は、かなり重い。樹理は、『余計なお世話なんだよ』と呟いていた。
「・・・一言、『嫁』と書いておくかな」
「えっ? 先輩、それはかなり冒険だと思います」
「そんなこと言っても、本当に何も思いつかないんだ。よし、『潤也の嫁』・・・と」
「どうして僕の名前を・・・」
「嫌か?」
 真剣な顔で、そう言われたら『NO』とは言いにくい。どうしたものかと悩んでいると――。
「・・・神守先輩と潤也って、そういう関係だったんだ」
 今帰って来たのだろうか。制服姿の倉神七代が、『信じられない』という顔で呟いていた。樹理の顔が、一気に紅に染まる。
「な、七代?! これは違う! 勘違いするな!」
「あ、好子。ねぇねぇ聞いて、神守先輩と潤也が・・・」
「だから、誤解だと言っているだろう! こうなったら・・・口を封じる」
 樹理が、どこからともなく葉っぱで出来た大団扇を取り出した。彼女の武器である、『天狗の大団扇』だ。振るえば、嵐が巻き起こるそれを振りかざすのを見て、七代の顔が青ざめた。
「寮内で、そんなの振り回さないでよ! 潤也、アンタの『嫁』でしょ?! なんとかしなさいよ、このヘタレ!」
「七代、最後にこんなこと言うのは申し訳ないと思うけど、君の事は嫌いだった」
「知っているわよ、この馬鹿!!」
 巻き起こる爆風が、七代とたまたま近くにいた高橋好子を巻き込んで、玄関を粉砕しながら外へと吹き飛ばされていった。
 次の日、潤也の手元にも進路希望の紙がやってきた。
「進路希望?! 猛烈になにか嫌な思い出が!!」
 見事記憶を吹き飛ばされてしまった七代。進路希望という単語が、トラウマになった様子である。
「将来の夢か・・・」
 少し考えて、それが自分にもあることに気付いた。もっと色々なことを知りたい――潤也は、『進学』と書き込んでおいた。




「叶わないけど、夢ぐらいは見てもいいよね」




END 

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