堕天王の逝く道

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zoom RSS 台詞に方言を使った小説2話と日常話

<<   作成日時 : 2007/11/29 22:16   >>

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今日、友達と町に出かけたら、黒の契約者の限定版が置いてあったので、
思わず、話が大好きだった2巻を買ってきました。
やっぱり、面白いですなぁ、黒の契約者は。
救いはないけど。

てことで、今日も小説を。

空白外伝〜春野家の狩人〜 その2

 置いていかれた少年――増山浩二は、なんとか自力で立ち上がる。『仕事?』と呟く彼の耳に届いたのは、さきほどから聞こえていた足音だった。すっかりと忘れていたが、美由紀は足音とは逆の方から来たのだ。なら、足音の正体とは――。
「振り向かんほうがよか」
 いつのまに取り出したのか、美由紀の手には小太刀が握られていた。浩二の横を走り抜ける美由紀であったが、なんと彼女はまるで足音を立てていなかった。そして――。
『アァアアアァァァ!!』
 という壮絶な断末魔が、浩二の後ろから聞こえてきた。しかし、『振り向くな』と言われた手前、浩二は何があったのかが確かめられない。恐怖に体を丸くしている彼に、『もうよかよ』と美由紀が声をかけた。
 振り向くとそこには美由紀しかいなかった。小太刀が月明かりを美しく照り返している。
「な、なんねぇいまの?」
「あんたらが言う所の、『幽霊』たい。私は、除霊屋。理(ことわり)から外れしモノを調整する者達・・・ようは、ゴーストハンターよ」
 目をぱちくりとしている浩二。話がまるで飲み込めていない様子である。
 『あっ』と何かに気付く美由紀。不思議そうにしている浩二に、どこか罰の悪そうな表情で美由紀は言う。
「一般人に教えたらあかんことやった。今の誰にも言わんといて。その代わり、タダで出口まで案内したるけん」
「そんなの言うたって、馬鹿にされるだけや」
 力が一気に抜けた浩二。美由紀の言う事を信じる気は、彼にもない。だが、出口まで案内してやるといわれて、断ることもない。浩二は、美由紀の提案を大人しく呑んだ。
「あ、私は春野美由紀ね」
 道すがら、美由紀が言う。浩二もそれに答えて、『増山浩二や』と名乗る。そこで浩二は、美由紀が言っていた事をふと思い出した。
「ところで、『仕事』ってなんのこと?」
「だから、幽霊退治。ここは、意図的に封鎖されとると。魔が集まりやすいから、まとめて狩るのには丁度よかけん。あんた、私がこんかったら、『行方不明』になっとったでぇ」
 さらりと怖いことを言っている。信じてしまうと怖さが倍増してしまうので、浩二は適当に流した。
『お母さん・・・』
 声は突然した。子供の声だ。進行方向の空間が一瞬揺らいだように見えたかと思うと、ぼぉと青白い煙が立ち上った。浩二には、それぐらいしか認識できなかったが、『ひぃー! マジ出た!!』と情けない悲鳴を上げた。しかし、美由紀はまったく動じない所から、浩二の悲鳴に眉根を寄せていた。
「いちいち叫ばんと。しゃーしぃ男やね」
 美由紀は青い煙に近づいて、小太刀を一刀。するとまたもや壮絶な断末魔を残して、煙は消え去っていった。
 問答無用。容赦無用。一撃必殺である。

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