堕天王の逝く道

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zoom RSS とある拳法家の話 俺の屍を越えてゆけ 二次創作小説

<<   作成日時 : 2011/11/17 12:37   >>

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俺の屍を越えてゆけ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/oreshika/



この小説は、俺の屍を越えてゆけの二次創作小説です。
現在、俺の屍を越えてゆけをプレイ中。その際、永久氷室の中を上半身ほぼ裸で突貫する拳法家と暖かそうな羽織を纏った弓使いを見て、この小説を思いつきました。

二次創作小説、二作目です。





   とある拳法家の話

 1.拳法家は上半身ほぼ全裸
 忘我流水道にて。敦賀ノ真名姫のヤンデレっぷりに驚きつつ、さらに真名姫の威力に涙を流しながら、ようやく永久氷室へと到着した。パーティは、年齢が上の順に、薙刀士の女性、剣士の男性でこの方が現当主、弓使いの男性、そして期待の新人、拳法家の男性――というよりかは少年。真名姫の脅威を一番味わったのが、拳法家の彼である。しかし彼は――。
「別に俺は、人魚ちゃんの肉しゃぶってみても良かったけどな!」
 と発言し、戦闘中泣きながら転がりまくっていたことをすっかりと忘れてしまった様子である。周りの視線は、永久氷室の氷よりも冷たかったことに、彼だけは気づいていなかった。
「滅茶苦茶寒いわ!」
 永久氷室を少し歩いた所で、拳法家の少年が急に叫んだ。周りは氷の世界。軽く氷点下である。そんな所に、彼は上半身ほぼ裸といういでたちで挑んでいた。その時、拳法家の目に飛び込んできたのは、弓使いの立派な羽織である。下もきっちり着込んでいる上に、羽織まで羽織って、暖かそうなことこの上ない。
「弓の兄ちゃん! その羽織を貸してくれよ!」
「断る」
 返答に一秒もかからなかった。まさに即答である。
「なんでだよ! 俺、こんな恰好じゃ凍死しちまうよ!」
「知らん」
「この間、薙刀の姉ちゃんの袴を盗んできてあげたじゃんよ!」
 ゴンと鈍い音がして、拳法家の少年が前のめりに倒れた。薙刀士の女性が、薙刀の柄で後頭部を強打したのだ。
「最近、私の袴が無くなると思っていたけど、お前の仕業か! ここで氷漬けになれ!」
 薙刀士の女性は、容赦なく拳法家の少年を蹴飛ばした。

 2.拳法家は、まだ新人
 永久氷室の最奥。寒い寒いと言いながらも、なんとか拳法家の少年は討伐に付いて来ていた。そしてパーティは、永久氷室の主、氷の皇子と対面する。
「昔、乳飲み子をある所で拾った。私は ほんの気まぐれで育ててみることにした。しかし困ったことに、私は男。泣きじゃくる赤子を目の前にしても、乳のひと雫も出るはずはなし。だから試しに 血を与えてみたのよ」
 訥々と語る氷の皇子。話は聞くものだと、全員待機している。しかし、新人の拳法家は、空気を読むという事をまだ学べていなかった。
「うわ、マジかよ! 血を飲ませるとか、グロすぎるわ!」
 すぐさま薙刀士の女性が、拳法家を薙刀で殴り黙らせた。
「す、すいません! この子、まだ新人なもので。話を続けてください、皇子」
「どうやら、お主らには容赦は必要ないという事のようだな」
 この時の戦い、氷の皇子は一度も『何もしない』を使わず、ひたすら殴り続けてきた。拳法家の少年は、戦闘が終わった時には原形を留めないほど顔が腫れあがっており、家に帰った際、親に『誰だ、お前?』と言われるほどだった。

 3.薙刀士の女性、逝く
 二年という長寿を全うし、薙刀士の女性の命の灯が消えようとしていた。いくつもの討伐を成功させた彼女は、一族の中でも信任の厚い女性だった。俯き、涙を流す。嗚咽だけが、静かに響き続けていた。拳法家の少年も、この時ばかりは俯いて涙を堪えていた。
「薙刀の姉ちゃん・・・」
 薙刀士の女性と一緒に過ごした日々を思い起こす。厳しくも優しい女性だった。食事を分けてくれたこと。敵から守ってくれたことも何度もある。いつも力強い手で、引っ張ってくれた。時には逆に好きなおかずを横取りされたり、酒の席で裸踊りを強要されたり、敵から逃げ出す時に足を払われて強制的に殿を務めさせられたり――。
「あれ・・・? やべぇ、なんだか悲しくなくなってきた。むしろ、長く生き過ぎだろう。なんで寄りにも寄って、薙刀士の姉ちゃんが二年も生きるんだよ」
「・・・皆聞いてくれ」
 薙刀士の女性の遺言が始まった。
「私は・・・先に逝くけど・・・拳法家、アンタだけは祟り殺すからね」
 拳法家の表情の変化を一部始終見ていた、薙刀士の呪いの言葉だった。

 4.薙刀士の女性、氏神へ
「薙刀士を氏神として奉りますか?」
 イツ花の提案が、一族に成された。薙刀士の女性の素質は十分である。彼女を氏神とすれば、現状もっとも奉納点の高い神になる。この先の事を考えれば、彼女の力は必ず必要となってくる。しかし、当主が発言するよりも先に、拳法家が発言した。
「反対反対はんたーい! 断固反対です! 祟り殺されますよ!」
「それはお前限定だろう?」
 弓使いの男性が冷ややかに言う。
「というか、薙刀のお姉さん強かったし、僕好きだし、むしろ崇めたいぐらいだから、イツ花さん、お願いしまーす」
 当主はあっさりと――素質や奉納点ではなく、己の感情の赴くまま薙刀士の女性の氏神化を決定させた。
「はい、かしこまりました!」
「あぁー! 終わった、俺絶対終わったわ!」
 拳法家だけ、頭を抱えていた。

 5.そして、悪夢再び
 拳法家も元服を迎え、徐々に戦果を挙げていた。一歳一ヵ月の時、当主も亡くなり、新しい当主が選ばれた。この家では、当主は若い子に世襲される。弓使いの男性の子が丁度三ヶ月。彼女が、新しい当主となった。その次の月、拳法家も交神の儀を執り行う事となった。
 交神する神は、当主が決める事になっている。まだ四ヶ月の彼女を、父親である弓使いの男性がバックアップしていた。
 拳法家には何も告げられなかった。ただ、交神の間へ行けとだけ。ついに、自分も子供を作る事が出来ると、拳法家は舞い上がっていた。イツ花の待つ、交神の間の襖を開けた拳法家は、『どうもー』と相変わらず空気の読めない挨拶をした。その瞬間、拳法家の表情は固まった。
「相変わらずね、そういう所は」
 薙刀士の女性がいた。彼女は死んだはずだ。いや、氏神になって――拳法家は混乱する頭で、今取るべき行動を確実に選択した。逃げる――それしかない。しかし、振り向いた瞬間、イツ花に襖を閉められた。
「はいはい、では交神の儀を始めちゃいますよー。バァーンと、お任せあれ!」
「いやいやいや、無理だし。無理だし! 祟れちゃうし!」
「こっちにおいで。滅茶苦茶にしてあげる・・・!」
「いやだぁーーーー!!」
 拳法家の断末魔が響き渡った。

 6.拳法家の最後
 あまりにも精神的負荷が強すぎたのか、子供を授かって二ヶ月後には拳法家の命は尽きようとしていた。
「お前らがあの世に行ったとき、俺がいじめられていたら、助けてくれよ。絶対だぞ・・・」
 それが、拳法家の遺言だった。
「今なら、拳法家を氏神として奉る事が出来ますけど・・・」
「いらないです」
 現当主弓使いの少女は、父親に似たのだろう、迷うことなくそう即答した。

 END

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
面白く読ませて頂きました。自分も最近俺屍小説ブログを立ち上げたばかりです。まだ数は少ないですが良かったら覗いて見てくださいm(_ _)m
http://blog.livedoor.jp/oresika_syousetu/
通りすがり
2014/01/21 04:59
こんにちは、通りすがりさん。
感想、ありがとうございます。純粋に俺屍をジャンルにしていらっしゃる方が他にいる、という事が嬉しいです。
今は体調が思う程芳しくありませんが、必ずブログ、立ち寄らせて頂きますね。その時は、あしあとを残していきます。
御来訪、ありがとうございました。
堕天王
2014/01/22 08:50

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