堕天王の逝く道

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zoom RSS 空白ノ翼第六章『恭介の帰郷』 第三話『光の一周忌』

<<   作成日時 : 2011/06/17 21:02   >>

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空白ノ翼第六章最終話です。
・・・一応。どうしても恭介メインにしたかったので、ちょっと書けなかった話があります。+αで、後1話分、追加で書くことにしました。第六章の続きになりますが、趣としては6章と7章の間で、6.5章かしら(笑。
とりあえず、この第六章は終わりです。次が、6.5章。そしてその次が、空白ノ翼の大きな区切りとなる7章です。

空白ノ翼については、
空白ノ翼の説明書 http://47762756.at.webry.info/201105/article_6.html
をご覧ください。

そうそう、プロットの一部を切り出したものを掲載しているこの記事も。
堕天王の物語の作り方 http://47762756.at.webry.info/201106/article_1.html
あのプロットがどうなったのか、ご覧あれ。


『6章2話『邂逅と再会、思い出と約束』のあらすじ』
お手伝いの恵美子が実家に戻り、一人ぼっちとなった神華。そんな彼女のために、斎が由紀子と椿を連れて、お泊りすることに。一方、郁子と鉢合わせて失態を招いた聡は、その事で斎に怒られることに。
恭介は、後輩の夏樹のお見舞いに行った後、聡と合流して、神華の家で。しかし、恭介が来ると、すぐさま逃げ出してしまった神華。光が死んだ後、神華を放置してしまった自分を憎んでいるのかと心配したが、そうではないと神華は語る。
光の一周忌に向けて、色々なキャラの思いが錯綜するお話でした。

今回のお話は、その錯綜したキャラの思いを回収していきます。

小説は、http://47762756.at.webry.info/201102/article_8.html


第三話の登場人物(第二話を踏まえて)

刈谷恭介:恋人の一周忌のために、櫻町へと帰って来た。ずっと安否を気にしていた神山聡と再会した後、同じ大学の先輩である鏑木郁子と鉢合わせる。光の死後、放置していた神華と再度話をする機会を得て、なんとかその関係に修復の兆しを見せた。

天野神華:恭介の恋人であった光の妹。恵美子不在のため、一人になる。お姉ちゃんになる、神華はなんて消えろと呪詛のように呟く姿も見られた。

鏑木恵美子:鏑木家の次女。恭介と光の同級生。祖父が亡くなったため、本家へと呼び戻される。

鏑木郁子:鏑木家の長女。恵美子と同じで呼び戻されている。聡とは幼友達である。

神山聡:記憶を喪失している。過去繋がりがあった恭介と再会したのはいいが、予定外の郁子とも接触してしまい、戸惑う羽目に。

坂田斎:聡の幼馴染。聡の記憶は、斎を介しての知識に過ぎない。神華の担任でもある。

刈谷加奈華:恭介の妹。

刈谷哲也:恭介の弟。

水及:歌宝山の山に住む存在。二話に登場した、橘椿が所属する橘家の後見人という立場であり、その存在はかなり謎だらけである。

狼命:水及に仕えている人狼。今回は、名前だけの登場。


では、本編です。





   空白ノ翼第六章『恭介の帰郷』
   第三話『光の一周忌』


「龍司(りゅうじ)!!」
 力の限り、青い髪の少女が名前を呼んだ。
「なりません、巫女様!」
 二人の女性に肩を掴まれるが、それを振り払う。走り難い服装のため、何度も転びそうになりながらも、片膝を付く男の下へと走り寄った。
 男は、両刃の剣を大地に刺し、杖代わりにしていた。満身創痍。頭部からの流血で、左目が機能していない様子である。だが、残った右目はただただ前を見ていた。殺気の宿る、まっすぐで淀みのない輝き。その視線の先には、大勢の刀や槍を持ち、鎧で身を纏った人たちが立っていた。
「巫女様、お下がりください」
 男は、一瞥もしない。ただただ、前を見ている。
 大勢の男たちの中から、一人、趣(おもむき)の違う男が姿を現した。他の人間たちと比べて、刀の柄や鎧が豪勢である。こちらも、その瞳に全くの迷いがない。冷たく、片膝を付く男――龍司と呼ばれた彼を見下ろしていた。
「大したものだ。ここまでしても死なないとはな。悪鬼よりも、なおさら悪鬼の如くだな」
「なぜ、私たちにこのような仕打ちを! 私たちが、一体何をしたというのですか!?」
 青い髪の少女は、悲痛な表情で問う。
「そのようなこと、我らの知ったことではない」
 青い髪の少女は、絶句した。
「帝(みかど)が滅ぼせと命じられた。だから、滅ぼす。それ以上の理由など、必要か?」
「巫女様、失礼を!」
 龍司が突然、青い髪の少女を後方へと弾き飛ばした。そして彼は、両刃の剣を大地から抜き、趣の違う男へと斬りかかる。
「滅びよ悪鬼!」
 趣の違う男は、嬉々として笑い、龍司の剣を刀で受け止める。
 止めなければいけない。このままでは殺されてしまう。殺されてしまうのだ。青い髪の少女は、手を差し伸べた。だが、届くはずがない。
 無数に飛び散る赤い鮮血は、誰の物か。
「龍司!!」
 もう一度、彼の名を呼んだ。それしか、彼女に出来る事はなかった。

 八月四日 朝
 目を覚ますと、見慣れた天井が広がっていた。呼吸が荒く、汗は噴き出しており、とても気持ちが悪い。青い髪、青い瞳のまだ中学生程度の年頃に見える少女――水及(みなの)は、とりあえず呼吸を整える事に努めた。
「最悪な朝だな」
 張り付いた髪をかき上げつつ、体を起こす。乱れた着物は、その場で脱ぎ捨てて、全裸となる。
「狼命(ろうめい)、どうせそこにいるのだろう? 着替えを持って来い」
 仕切られた襖(ふすま)の向こう側から、気配が一つ消える。嘆息を吐いて、水及は襖を全開にした。夏の蝉の声と、涼やかな風が室内へと入ってくる。青々と茂った森の姿が、目に眩しかった。
「……まったく嫌な夢を見たものだ。ここ最近、とんと見る事がなかったというのに。本当に最悪な朝だ」
 水及は、澄み切った青い空を見上げて、もう一度そう愚痴った。

 八月三日 朝
 朝食を食べて、のんびりとテレビを見ていた時である。メールの着信を知らせるメロディが流れた。
「……恵美子からだ」
 刈谷(かりや)恭介は、メールの差出人の名前を見て驚いた。恵美子――鏑木(かぶらぎ)恵美子は、恭介の同級生であり、恭介の恋人だった光(ひかる)の最も親しい友人である。恭介自身、恵美子と話がしたいと思っていたが、忙しさの中でついつい後回しになっていた。
「加奈華、ちょっと出て来る。すぐ戻るから」
 一緒にテレビを見ていた妹の加奈華にそう声をかけて、恭介はメールに記載されていた待ち合わせ場所へと向かった。
 待ち合わせ場所は、大木公園。ここには、大きな木が中央に立っているため、町民が待ち合わせ場所として良く使う場所だった。
 恵美子は先に来ていた。大きな木の下のベンチに座っている。恭介に気付くと、恵美子は立ち上がって、笑顔と共に手を振って見せた。
「恭介ー」
「恵美子!」
 途中から駆け足で、恵美子の傍まで。
「久しぶり。元気にしていた?」
 出会いの挨拶としては、実にテンプレート。恭介は、『なんとかね』と答えた。
「恵美子は?」
「私は、元気だよ。いつでも無駄にね。受験に失敗して、見事に底辺生活が板についちゃったけどね!」
「大学、落ちたんだ。あ、これ」
 恭介は、途中で買ってきていた缶コーヒーを恵美子に手渡した。
「相変わらず気が利くね。私、女なのに、いつも恭介に感心しちゃうんだよね。なんか、変だよねこれって。ありがとう。とりあえず、座ろうか」
 二人で並んでベンチに腰掛ける。恭介は、恵美子の横顔を一瞥して、それから缶コーヒーを少しだけ口に含んだ。
「……恵美子、その……ごめんな」
 俯いて、ぼそりと。恵美子はそんな恭介を、不思議そうに見下ろしていた。
「なんで恭介が謝るの?」
「光が死んで、皆、苦しんでいた。それなのに、俺だけそれから逃げた。本当なら、もっと……」
 恵美子は、軽く恭介の頭を小突いた。恭介が顔を上げると、恵美子は笑っていた。彼女の笑みは、光を失う前と何一つ、変わらなかった。
「それで恭介が謝るのなんておかしいし。皆、あの時は自分の事で精一杯だったから、誰かが悪いとか、そんなのはないし。私だって、あの時は自分の事だけで一杯一杯だった。だから、別に恭介が謝る事なんて何もない。ただ、この町に帰って来てくれた。それだけで、良かったと思っている」
 少し間を開けて、恵美子は顔を逸らした。笑みが消えていた。
「気付いたら恭介いなくなっていて、ショックのあまり死んじゃったりしてないかなって、心配だった。でも、本当に良かった。本当に良かったよ。ずっと、私もごめんねって言いたかった。なんだかよく分からないけど、私だって分かんないけど、ごめんねって言いたかった」
 恵美子は缶コーヒーに顔を付けて、泣いていた。そこで恭介は気付いた。誰に謝りたかったのだろうか。何を謝りたかったのだろうか。ただ、ごめんねと言いたかった。恵美子だけではない。神華(しのか)にも、神華の母親にも。もしかしたら、聡(さとし)や斎(いつき)にも――。
「お互いに話をしようか。光が亡くなって、それからのこと。そして、今の事。さらに、未来の事。光と一緒にいた時みたいに、他愛のない、そんな感じで」
 今必要なのは、『ごめんね』の起因を探す事じゃない。誰もが、光を亡くしたことでただ負い目を感じていただけだから、それにきっと意味はない。光がここに居たなら、『湿っぽい話はシャットアウト! 楽しい話をしよう!』と言うはずだ。だから、これでいい。きっと、これでいいのだ。恭介は、そう思う事にした。
「さすが恭介。無駄にイケメン」
 恵美子は、まだ缶に縋りついていたが、それでも笑ってくれた。
「うるさいし」
 光を失って途絶えていたものが、ここに戻って来ていた。

 同日 夜
 夕食を終えた刈谷家のリビング。洗い物をする恭介と、洗った食器を拭く加奈華。それを眺めている、弟の哲也。これもまた、光が亡くなってから失われていた光景の一つでもあった。
「加奈華、哲也、明日、時間ある? 急な話だけど、時間があるならどこか出かけようか」
 恭介の言葉に、加奈華は手を止めて、兄の姿を見つめていた。
「私は別にいいけど。暇だし」
 加奈華が哲也の方を見ると、哲也は電話をかけていた。
「どこに行くの?」
「加奈華は、どこに行きたい? 行きたい所に付き合うよ」
「うん、別に私はどこでもいいのだけど……」
 そう呟いて、加奈華は失言に気付いた。こういう時は、『どこでもいい』というのは禁句である。
「姉さん、そんなんだからいつまでも彼氏が出来ないんだよ」
 いつのまにか電話を終えていた哲也に突っ込まれて、加奈華は頬を染めた。
「う、うるさい! 今から考える所だったんだから!」
 怒っている加奈華を、哲也は笑顔で見ている。それが非常に馬鹿にされているような感じがして、加奈華の怒りはなおさら収まりがつかない様子だった。
「あ、兄さん。明日の予定、空いたから。僕も行くよ」
「先約があるなら、そっちを優先していいんだよ」
「折角兄さんが帰ってきているから、兄さんと出かける。彼女たちとはいつでも遊べるしね。あぁ、兄さんとお出かけなんて、いつ振りだろう。楽しみだな。で、どこに行こうか。姉さん」
「ま、待って。今考えている所だから」
 加奈華の手が止まってしまったため、恭介も一旦は洗い物をする手を止めた。加奈華は、視線を泳がせながら、時々もうピカピカになっている皿を執拗に磨く。
「えと、その……映画かな」
「映画か。見たい映画があるの?」
「うん」
「なら、映画を見て、昼ご飯を食べて、それから買い物でもしようか」
「は〜い、僕はそれでいいよ」
「わ、私もそれでいい」
「よし、ならさっさと片付けてしまおう」
 恭介は、加奈華に洗ったコップを差し出す。そこで加奈華は、自分が作業を止めてしまっていたことに気付いて、慌てた様子で持っていた皿を棚に仕舞い、コップを受け取った。

 八月四日 昼
 恭介と加奈華、それと哲也は、映画を見終えた後、近くの喫茶店で食事を摂っていた。映画は、加奈華が選んだアニメの映画を見た。学校の友達とは行きにくかったと、彼女は話す。
「姉さん、ボロボロ泣くんだもん。恥ずかしかったなぁ」
 哲也の言葉に、加奈華は激しく咽(むせ)た。そんな加奈華を見る哲也の表情は、嬉々としていた。
「でも、姉さんが泣いている所なんてレアモノだし、いいものが見られて良かった」
「うるさい! なに人を観察してんのよ!」
「そんなの面白いからに決まっているじゃん」
「くそ、相変わらずの性格の悪さね。死んじゃいなさいよ、もう」
 恭介はただ、それを楽しそうに見守るばかりであった。
 昼食を終えた後、予定通り買い物へ。恭介は、遠慮する加奈華に靴を買ってあげ、哲也には本人の希望でボールペンを。『意外と筆記道具はプレゼントしてくれないだよね』と、誰に対してか分からないものの、そう彼は呟いていた。
 一通り買い物を終えた後、電車に乗って帰路へと着く。櫻町に着いた頃には、すでに十七時を回っており、空も少しばかり暮れゆく姿を見せていた。
「兄さん、今日は弁当でも買って帰ろう。こんな日ぐらい、家事しなくていいからさ」
 哲也の提案で、商店街へと寄った。弁当を買った後、今度は恭介が『ついでに甘いものも買っていこうか』と提案したため、通りにある洋菓子店へと立ち寄ることとなった。
 商店街の洋菓子店は、一件のみ。少なくとも恭介が物心ついた頃から、店はあった。少しばかり煤けた看板を掲げる、小さな洋菓子店。変わったことと言えば、店内が改装されて、手動のドアが自動扉へと変わったことぐらいか。
 店内に入ると、涼しい風が吹き込んでくる。恭介たちは、店内に入ってすぐ、足を止めた。レジで支払いをしている少女の姿に目を奪われていたからだ。青い瞳に青い髪。服装は、薄い青色のワンピース。まるで、アニメの中から出て来たような、そんないでたちの少女であった。
「コスプレ少女だ」
 哲也がそう呟いた。
「あ、あの噂の」
 加奈華も追随する。コスプレ少女――櫻(さくら)町の商店街に時折姿を見せる、不思議な格好の少女を、名前が分からないためそう呼んでいた。今日の服装は普通であったが、青い髪と青い瞳の少女が、櫻町に二人といるはずがない。
「初めて見た」
 恭介もその噂を知っていたが、実際に見るのはこれが初めてであった。
「ありがとうございました!」
 店員が笑顔とハキハキとした声音で言う。コスプレ少女は、小さな白い箱を右手に持って、振り返る。入口を占拠していたため、恭介たちは慌てて道を開けた。
 そんな折である――。
「龍司?」
 コスプレ少女は、恭介を見上げて、そう呟いた。驚いた顔をしている。恭介は、不思議そうにそんな少女を見ていると、少女は小さな箱を落として、恭介に抱き着いてきた。
「会いたかった!!」
 少女は涙を零していた。いきなり抱きつかれて、戸惑う恭介。
「なっ!」
 驚いて目を丸くする加奈華に、口笛を吹いている哲也。こちらは楽しげである。
「あ……ご、ごめんなさい。私……」
 少女はすぐに恭介から離れた。青い髪を引っ張りながら、俯き加減に、そして視線を泳がせている。
「その、とにかくごめんなさい!」
 それから少女は、逃げるようにして店を出て行く。恭介は呆気にとられて、それを見送る事しかできなかった。
「兄さん、とりあえず追いかけたら。店員さん、これ新しいのに変えてください。今から届けに行くから、出来るだけ急いでね」
 哲也は、落ちた白い箱を指さして、最上の笑みを浮かべて店員に言った。店員は、『ただちに!』と、すぐに新しいものを用意してくれた。
「兄さん、ダッシュダッシュ」
 新しい白い箱を受け取り、哲也に急かされる形で、コスプレ少女を追いかける事となった。
 青い髪の少女がどっちに行ったかは、道行く人に聞いてすぐに判明した。青い髪の少女と言えば、二つ返事で『あっち』と教えてくれたからだ。
 商店街を出て、大通りを渡る。この先は、人の通りが少ない。上手く会えるだろうか。恭介はとりあえず、道をまっすぐに走った。右手に、櫻高校が見えてくる。まっすぐ行った先は、飛山団地である。そして、さらにその向こう側には歌宝山という山が鎮座していた。
 櫻高校の正門が見えてきた辺りで、コスプレ少女を見つける。すでに走るのを止めて、俯き加減にトボトボと歩いていた。
「あの!」
 恭介は、走りながら呼びかける。しかし、少女は振り向かない。自分が呼ばれていると思っていないのだろう。
「すいません!」
 もう一度大きな声で呼ぶ。それでようやく少女は足を止めた。ゆっくりと振り向く間に、恭介は少女の前まで駆け寄った。
 前屈になって、息を整える。ペースも考えずに、最初から全力疾走だった。ここ最近、本気で走っていなかったため、両足が鈍い痛みを訴えている。
 コスプレ少女は、大層驚いていた。なぜ、彼が追いかけて来たのか。困惑する彼女に、恭介は息を切らせたまま、持っていた白い箱をコスプレ少女の前に差し出した。
「あの、これ、落としたから」
 コスプレ少女は優しく微笑み、恭介から白い箱を受け取った。
「ありがとうございます。わざわざ届けてくれたのですね」
 ようやく息が落ち着いてきたので、恭介は体を起こした。間近で見る少女は、本当に可愛らしい顔をしていた。その顔を見ている内に、恭介は不思議な感情を胸に抱く。知っているような気がする。だが、そんなはずはない。こんな印象の強い子を、忘れるはずがないからだ。ならば、この懐かしさを伴う胸の苦しみの正体は? 少し、恭介は戸惑っていた。
「私の名前は、水及。あなたの名前を教えてくれるかしら」
「恭介です。刈谷恭介」
「ありがとう、恭介さん」
 水及と名乗った少女は、じっと恭介の顔を見つめていた。何か、思いつめているような印象だった。しかし――。
「健やかに」
 それを隠すように深々と頭を下げてから、帰っていった。恭介の心にも、まだ不思議な感情が疼いていたが、今はそれを確かめる術(すべ)はない。大きなため息を吐いた後、恭介もまた帰路へと着いた。

 八月五日 朝
 僅かな光源しかない、狭い通路。そこを抜けると、ちょっとしたホール程度の空間が広がっている。剥き出しの土で覆われたその空間の一番奥には、三メートルはあろうかという大きな氷の塊が鎮座していた。
 水及は、その大きな氷の塊の前に来て、それを見上げる。氷の塊の中には、年の頃は十代前半の青い髪の少女が、瞳を閉じた姿で閉じ込められていた。その様は、『氷の棺』とでも呼べば丁度良さそうな、そんな趣であった。
「水及」
 水及は、氷の塊の中に眠る少女にそう声をかけた。
「昨日、龍司の転生体と会った。いつかは転生して来るとは思っていたが、本当にこの目でそれを見る事になろうとは、なんたる偶然。そう思ったよ。しかし、これが必然だった場合、あのような普通の少年として転生した彼を、私たち側に引き込んでしまうことになるのだろうか。嬉しかったが、怖かったよ。何も言えなかった。会いたい。もう一度会いたい。けど、彼に会ってしまったら彼の日常が壊れてしまうような気がする。私は、どうしたらいいと思う? なぁ、水及よ」
 何も語らない氷の塊の前で、水及は静かに涙を零した。

 八月六日 朝
 天野家で、光の一周忌がしめやかに執り行われていた。朗々と続くお経。白く棚引く線香の煙。参加している面々は、静かに煌びやかな笑顔で映る光の遺影を見つめていた。
 参列者は、喪主である天野神華。そのサポートに、鏑木恵美子と鏑木郁子(いくこ)。刈谷恭介、加奈華、哲也。神山聡。坂田斎。計八名。ごくごく身内かつ親しい人間だけが集められた。
 今は、各々焼香をあげている。そんな中、恭介は時々周りを見渡しては、首を傾げていた。
「どうしたの、兄さん?」
 気になって、加奈華が聞いてきた。恭介は、そんな加奈華へと顔を近づける。
「神華さんのお母さんがいないんだけど、どうかしたのかなって」
 加奈華も、それではっとした様子。周りを見渡してみても、それらしき人はいない。
「……本当だ」
 理由は不明であるが、神華の母親である天野陽華(ようか)は欠席しているようだった。娘の一周忌に出て来られないとなると、よっぽどの事ではないのか。後で知っていそうな人に尋ねてみよう――恭介はそう思った。
 焼香をあげるため、仏壇の前に座る恭介。仏壇という枠に仕切られた光の姿を見ていると、彼女がもうここに居ないのだということをなおさら強く実感させられた。込み上げてくる涙を拭いもせず、一つまみ、二つまみと焼香を摘まむ。
 一周忌の参列者の反応は、それぞれだった。恭介や恵美子は涙ぐみ、加奈華はボロボロと泣いていた。哲也の方は、顔色一つ変えない。彼の場合、感情を抑えているだけであろう。兄や姉に気付かっているのだ。
 喪主である神華もまた、顔色一つ変えない。冷めた瞳で、参列者を見つめている。光と古い交流があった坂田斎は辛い顔をしているが、涙は流していなかった。神山聡は無表情。そして、鏑木郁子は目を閉じ、顔を伏せていた。
 一周忌は滞りなく進み、僧侶が役目を終えて退場する。その後、全員で墓へと赴いた。一周忌は鏑木家の方針で、仏教で執り行われたが、墓は光の父親がキリスト教であったため、西洋式となっている。そのため、どこか不自然、違和感を覚えるそんな光景であった。
 夏の青い空。蝉の声と、それと波の音も少しばかり聞こえてくる。今日は、かんかん照りであったが、時々吹く風は、さわさわと心地よいものであった。
 それぞれ、光の死を悼む。
 天野家に戻ってきて、郁子が手配した精進料理――ではなく、鉢盛を囲んで昼食となる。若い人が多いのだから、わざわざ精進料理である必要はないと、そういうことらしい。ただ、鯛などのめでたいものは外されていた。
 恭介は、食事を粗方済ませた後、席を立って郁子の方へと向かった。神華の母親の事を尋ねるためだ。本当は恵美子に尋ねたい所であったが、恵美子は神華の隣に座っている。喪主である彼女の耳に、そんな事を届けたくはなかった。
「どうしたの、恭ちゃん。ご飯、食べた?」
 郁子は、少し大人しいだけで、いつも通りの締りのない笑顔を浮かべていた。コンビニの前に座り込んでいた彼女を見て心配していただけに、恭介はほっと安堵する。
「えと、ちょっと聞きたいことが」
 郁子と一緒に席を立ち、リビングの外へ。階段の傍で恭介は、郁子に神華の母親について尋ねた。
「あ、そっか。恭ちゃんは、知らなかったんだ。陽華おばさんは、今病院で入院しているよ」
「具合が悪いんですか?」
「心のね」
 それで全てを察してしまった。神華の母親、天野陽華は、光が死んだことで精神を病んでしまったのだ。同時に、なぜ恵美子がこの家でお手伝いをしているのかも、察した。唯一の肉親が入院して、一人ぼっちになった神華を恵美子は支えていたのだ。
 恭介は、顔を伏せた。光の死を受け止められず、町から逃げ出してしまった。そんな一年の内に、色々と取り残されていたことに、彼は気づいた。そして、同時に情けなくなった。自分がもっとしっかりしていなければならなかったのではないか――と。
「恭ちゃん、もしかして自分の行動を恥じているの? でもね、誰も恭ちゃんの事を責めたりはしないよ。人にはそれぞれ、受け止め方があるんだもの。だから、後悔をしたら、前を向く。何も手遅れにはなってないからね」
 郁子の微笑みは、恭介に力を与えた。いつもは、迷惑ばかりかけて来る先輩であるが、恭介は彼女の言葉にいつもはっとさせられる。光を失い、自暴自棄で京都へと赴いた時、恭介に力を与えてくれたのもまた、偶然出会った郁子だった。
「ありがとうございます、先輩」
「別にいいのよ。でも、これ以上二人でこそこそしていたら、色々と勘繰られちゃうから、それはそれで困っちゃうかも」
「あはは、それは僕の尊厳が酷く傷つくので、避けたいですね。早く戻りましょう」
「そんな事を言う奴は、抱きしめる!」
「だぁ! くっつかないでくださいよ!」
 郁子に抱き付かれてバタバタともがいていると、リビングから加奈華が出てきた。彼女は、物凄く気まずい顔をしたかと思うと、そのまま何事もなかったようにリビングへと戻って行った。
「加奈華、色々と誤解している!」
 一周忌で粛々としているのに、恭介は声を張り上げずにはいられなかった。

 聡は、一周忌に参加している最中、時々郁子の姿を追いかけていた。今だ、郁子に記憶喪失である事を話せていなかったからだ。
 聡と郁子は、幼友達である。斎との間で、親しい人間にはとりあえず記憶喪失であることを明かさないようにしておこう。そう取り決めをしていたが、突然郁子と会ってしまい、聡が対応できなかったことで、郁子は今の聡に何かしらの疑念を抱いていた。そのため、もう彼女に記憶喪失であることを明かしてしまおう。という話になった。斎が、その場をセッティングすると言っていたが、斎曰く、断られ続けているようだ。そして、現在に至っている。
 一周忌が終わった後、恭介たちと斎と郁子で帰ることとなった。恵美子は、そのまま天野家に残ることに。恭介たちの家は割と近いので、坂を下りてすぐに別れた。それから三人となったが、間もなく空気を読んで斎も離れた。彼女の家の方向からすると、特別不自然なわけでもない。が、問題は聡である。
「聡さんも、向こうじゃないの?」
 呼び方が固くなっていることに、聡も気付く。郁子が言っているのは、聡の実家の場所である。聡は今、若草山の中腹に建っている立麻琴菜のログハウスに住んでいる。が、彼の実家は、斎の家の隣なのだ。家に戻っていない事を知らない郁子が、斎と一緒の方向ではないのかと尋ねてくるのは、ごく自然の事であった。
 郁子は、聡に背を向けていた。聡は、そんな郁子の背中を静かに見つめる。恭介たちの姿がないのか確認し、斎の姿もないのか確認し、そしてもう一度郁子の背中へと視線を向けた。
 郁子は、かなりの細身だ。吹けば飛んで行ってしまいそうである。
「話がある」
 聡は、そう切り出した。しかし内心では、迷いが渦巻いていた。彼女に本当の事を話しても大丈夫なのか。本当に彼女を宥める事が出来るのだろうか。もしそれが出来なければ、彼女は――。
『郁子は、思い込みが激しくてね。あんまり言いたくなかったんだけど、一度、自殺未遂もしたことがあって……』
 斎の言葉が脳裏を過る。
「私には別にないから」
 郁子は、速足で歩きだした。聡は、覚悟を決める。斎が聡を信じてくれた。だから、それに答えなければならない。それに、そもそも今回の事は聡の失態が招いたことでもあるのだ。何が何でも、成して見せなければならない。聡は、そう強い思いを込めて、次の言葉を放つ。
「俺は、記憶喪失なんだ!!」
 シーンと静まり返る。ただ、遠くからさざ波の音だけが聞こえてくる。まるで時が制止したかのような、そんな印象であった。少しの間を開けて、郁子が振り返った。
「記憶喪失?」
 聡の言葉の意味をどう取っていいのか分からない、そんな顔をしていた。聡はそんな郁子をまっすぐに見つめた。
「正確には分からないが、多分今年の四月からの記憶しかない。だから、君の事も本当は何も覚えていない。斎から聞いて、斎と相談して、それで……記憶喪失であることを隠しておこうって、決めて……」
 台本があるわけではない。言葉を選び、探し、視線が泳ぐ。
「騙すような形になって悪かったと思う。それでも、これがとりあえず一番いいと考えたんだ。俺が記憶喪失であることを知っても、悲しませるばかりだ。誰にも俺の記憶喪失を治すことなんて出来ないんだしな。それに、記憶はいずれ戻るはずだ。それなら、敢えて記憶喪失であることを明かす必要もないか……そう思ったんだ」
「昔の事を覚えていない……」
 郁子の声は震えていた。かなりのショックを受けているようである。ここが正念場だ。聡が次の言葉を紡ごうとしたその時である――。
「アンタなんか、神山聡じゃない!!」
 郁子の一喝に、聡は驚いた。それは郁子の声に驚いたのもあるが、彼女の言葉の意味も合わさっての事。紡ごうとしていた言葉が、すべて白紙と化した。
「な、何を言っているんだ。俺は、俺だぜ。神山聡だ」
「過去の記憶がないなら、神山聡だって証明できない。私の知っているさとちゃんは、そんな変な顔なんかしないもん!!」
 郁子は、そう捨て台詞を吐いて、走り去っていった。聡は、放心状態で、そんな郁子を見送る事しかできなかった。
「へ、変な顔……ま、それは知っていたが……いや、そうじゃなくて……あぁ、分かんなくなってきた!」
 聡は、頭を抱えて座り込んだ。
「何やってんのよ」
 声をかけて来たのは、斎だった。心底呆れた顔をしている。驚く聡は、そんな斎を見上げた。
「お前、帰ったんじゃないのかよ」
「帰った振りをしただけ。心配で、まっすぐに帰られるわけないじゃない。だいたい、郁子も聡も、難しい事を考えすぎなのよ。記憶がないから神山聡じゃない? なにそれ。とんちか何か? 聡も聡よ。何真っ向から存在を否定されて納得しているんだか。あなたは誰? 言ってみなさいよ」
「神山聡だ」
「でしょ? なら、それでいいじゃない。なに迷っているの?」
 聡は立ち上がった。実は、郁子に言われた『アンタなんか、神山聡じゃない!!』という台詞は、前々から聡が少なからず感じていた事であった。
 記憶があった頃の自分と、記憶を失ってからの自分。それは別物じゃないのか。本当に自分は神山聡なのか? そういう疑問が、心の片隅にいつもあった。普段はそれを意識しないようにしていたが、郁子に言い当てられて、『彼女の言う通りなのかもしれない』と納得してしまった。しかし、斎は今の聡を、微塵も疑いなく聡だと認識してくれていた。それが、聡の心から迷いを吹き飛ばした。
 そう、自分は神山聡だ――と。疑う必要はない。どこにもなかったのだ。
「ありがとう」
「礼はまだ早い。あの子、体力は非常に残念だから、早く追いかけなさい。今度こそ、何とかしなさいよ」
 斎の言葉に、『あぁ』と頷いて、郁子を追いかけた。
 夜の帳が、確実に降り始めている。薄暗い道を、点々と街灯が照らす。郁子の姿は、斎が言っていた通り、走り出して五分もしない内に見つかった。もうすぐ行けば、商店街の前の交差点に出る辺り。その道を、とぼとぼと歩いている。
「郁子!」
 聡は――今度は迷わず、声をかけた。郁子の体が小刻みに震えたのが、聡からも見て取れた。郁子は、振り返り聡の姿を認めると、すぐ傍の電柱の陰に身を隠した。
「来ないで!」
 慌てて聡は減速して、なかなか速度が落ちずにたたらを踏みつつ、よたよたと止まる。
「近づかないで」
 郁子の瞳は、警戒と言うよりかは怯えているようでもあった。聡は、そんな郁子を見つめ、静かに自分の思いを紡ぐ。
「俺は、神山聡だ。確かに、昔の記憶はない。だが、それでも俺は神山聡だ。神山聡として、生きている。例え俺に記憶がなくても、それで斎や、恭介、君と一緒にいた時間がなかったことにはならない。だからこそ、俺は大切にしたいんだ! 俺が失ってしまったものだから。二度も失いたくないから! 忘れられてしまうということは確かに何よりも辛い事だ。でも、俺はもう君を知った。昔の君を斎から教えてもらったし、なによりも、今君を俺は認識している。俺の新しい記憶に、君の姿はもうある!」
 話している途中から、郁子は大粒の涙を流し始めていた。それが何を意味するのか、聡には分からなかった。悲しみなのか、憤りなのか、絶望なのか、高揚なのか――。分からなかったが、最後まで言葉を紡いだ。自分の思いが、郁子に届くようにと願って――。
「もう一度言う。俺は、神山聡だ。帰って来たんだ、この町に。郁子、ただいまって言ってくれないのか?」
「サトちゃん……」
 か細い声は、辛うじて聡に届いた。ひとまず、呼び方が戻った事に安堵した。これから郁子は、どう動くのか。聡は、じっと無言で見据える。
「サトちゃん……記憶喪失って、本当に本当なの?」
「あぁ、本当だ」
「そんなのあんまりだよ。みんな、みんな忘れちゃうなんて……そんなのあんまりだよ。辛いよ。苦しいよ。でもね、それでもね……私、サトちゃんとお話ししていることが楽しいみたい。どうしても、楽しいみたい。だから、やっぱりサトちゃんはサトちゃんなんだって思ったの。記憶がない今も、ずっとサトちゃんなんだって。私ね、ずっと会いたかった。一杯一杯話したいことがあってね、ううん、そうじゃなくて、あ、そうだ、おかえり、おかえりだよ、最初におかえりって、言わないと」
 郁子は、混乱しているようだった。心の奥底に仕舞いこんでいた感情と、現実を冷静に認識している表の感情がぶつかり合い、合致する事が出来ていないのだろう。しかし、言葉を並べるうちに、徐々に混ざり合っていく。そして、導き出す。今の聡をどう受け止めるのか。その答えを。
「私ね……私は、私は……もうサトちゃんと結婚するぅー!!」
 答えを超越して、願望へと登り詰めたようだった。郁子は、電柱の陰から出て来ると、聡の胸に飛び込んできた。聡は慌てつつも、それを受け止めた。
「はぁ?!」
 あまりの展開に、聡の認識速度が間に合っていない。彼女は何を口走っているのか。戸惑っていると、再び斎が現れた。
「ちょっと! どさくさに紛れて、何言ってんのよ!」
 後ろから猛ダッシュしてきた斎は、聡から郁子を強制的に引っぺがしにかかる。だが、郁子はまるで食いついたスッポンの如く、離れようとしない。
「おいおいおい!」
 聡が二人をたしなめるが、まるで聞いている様子はない。
「ずっと斎ちゃんが独占していたんだから、もういいじゃん。頂戴よー」
「独占なんてしないし! とにかく、いいから離れろって! 聡が困っているじゃない!」
「郁子に抱き付かれて、困っているわけないじゃん。ねぇ、サトちゃん」
 聡は、同意を求めて来る郁子に対して、ため息で返した。そして、一転してうんざりとした表情で言葉を紡いだ。
「俺を挟んで喧嘩するんじゃねぇ!」
 それは、聡の心の底からの本音だった。

 八月七日 朝
 見送りの人に見守られて、恭介は汽車へと乗った。振り返って、それぞれの顔を見つめる。日傘を差す神華。少し泣きそうな顔をしている。その隣に、なぜかメイド服を身に纏った恵美子の姿。彼女は、笑顔で手を振っていた。神山聡も笑顔だ。しかし、その隣の坂田斎と鏑木郁子は何か様子がおかしい。それぞれ笑顔だが、時々何やら牽制し合っているように見えた。
「恭ちゃん、またね。私も来週には帰るから」
「はい。というか、そのまま戻って来なくてもいいですよ」
「あぁ! そんなこと言うんだ。覚えてろよ」
 軽口を叩いたつもりが、何やら郁子の心に禍根を残してしまったようだ。恭介は、心中で――『来週帰って来るなら、来週は臨戦態勢か……』と呟いていた。郁子は、油断すると恭介の部屋を急襲して、荒らして帰っていくのだ。恭介にとって、自室という聖域を荒らす獣なのだ、郁子は。
「兄さん、元気でね」
 神華よりも泣きそうな顔をしているのは、加奈華。哲也は来なかった。彼には彼なりの思いがあるのだろう。
「向こうに着いたら、電話するよ」
 加奈華は、『うん』と少しだけ笑って頷いた。
 汽車の発車を告げるサイレンが鳴る。
「恭介、また遊びに来いよ!」
「はい、必ず!」
 最後に聡が声をかけてきた。それに答えている間に、扉が完全に閉まった。汽車が動きだす。恭介は、見送りの人たちが見えなくなるまで彼らに手を振り続けた。見えなくなると、急に寂寥感が込み上げてくる。それを抱いたまま、恭介はボックス席に腰掛けた。流れゆく景色が、櫻町から確実に離れて行っている事を教えてくれる。その景色を眺めながら、恭介はとても優しい表情で一言紡いだ。
「光、またね」
 それは、亡き恋人への思いだった。


 END

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空白ノ翼第六章『恭介の帰郷』 第三話『光の一周忌』  堕天王の逝く道/BIGLOBEウェブリブログ
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