堕天王の逝く道

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zoom RSS 幽世喫茶3

<<   作成日時 : 2008/08/11 20:02   >>

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今日、冬コミに申し込みました。あと、関西コミティアとアルバレストのサークルカットを作成したりしています。
今週中には、二つとも振り込んで、完了にしたい。これで、もう申し込み忘れたなんていう悪夢とはおさらばさ!


さて、今日は久し振りに幽世喫茶を書きました。久し振りすぎて、キャラの性格を忘れてしまったよ。
幽世喫茶とは、幽世珈琲と呼ばれる不思議な飲み物を出す、喫茶店の物語である!(まんまじゃないか。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~pfive/tyouhen/shortstrory.html
1話とか2話は、上のページ、中段辺りからどうぞ。

では、幽世喫茶3。どうぞ、です。
あ、幽世は、『カクリヨ』と読むのですよ。


 幽世喫茶3


 ガランとした店内で、マイセンカップの付喪神であるマイは、コーヒーを楽しんでいた。ここの主が作った、特殊なコーヒーではなく、自分で淹れた普通のコーヒーである。ウェイトレスをやれと言われたものの、客なんてものはとんと来ない。ほとんど日がな一日、マイは椅子に座っていた。
 客が来ないのは、立地のせいだ。山の中腹にあるため、よっぽど通な人でもない限り、存在している事さえ知られていない。可愛いウェイトレスで、一儲け。とか言う前に、もっとやるべきことがあるような気がするが、それを聞き入れてくれるような人でもない。それに、最近は人ではない客も来なくなった。もはや、なんのためにあるのか、分からない状態である。
「暇すぎるわ・・・!」
 先ほどからキッチンの方で活動していた、喫茶店の主がぼやいている。そろそろいい年頃にも関わらず、まるで色気がない。ボサボサの髪を適当に首筋辺りで結び、ヨレヨレのTシャツの上から、黒いエプロンを身につけていた。エプロンの中央には、黒猫が刺繍されており、『ニャァ?!』と意味の分からない感嘆符が付いていた。どういう意味だろうか。
「マイは、知っています。インターネットとか、使って宣伝すれば宜しいのでは?」
「回線なんて来てないわよ! そもそもお金もないのよ! くそっ、電電公社め、足元を見くさりやがって、畜生!」
 最近、荒れている。昔ほどの余裕がない。本当に経営のピンチなのかもしれない。
「広告を出すとかは?」
「だから、お金がないの。ママが、先月どこからともなく、ごっそりと五百万ほど引き落としたせいで、大ピンチなのよ。帰ってきたら、絞め殺すわ」
 主の母親を、マイは見た事がない。なんでも、珍しい豆を探すとか何とかで、南米の方に行っているらしい。どうやって、口座から引き落としたんだろうか。もう、日本に帰ってきているのかもしれない。一度、会ってみたいものである。
「そういうわけで、新メニューを考案してみました」
「うわ、何気に脈絡がないですね」
 『ジャーン!』という効果音を付けながら取り出したのは、一件普通のオムレツ・・・に見えたが、厚みがある。オムライスなのかもしれない。
「名づけて、『地獄のオムライス!』」
「・・・相変わらずのネーミングセンスですね」
「私のアイデンティティを全否定された! あとで、油性ペンでマイセンカップに落書きしてやるんだから」
「や、やめてください! 顔に文字とか出たら、私、お嫁に行けません! ちょっとした、冗談ですよ、マスター。素敵過ぎて、感動しました。私、凄く食べたいです」
「まぁ、そんなに言うなら、どうぞ」
 主が、オムライスを目の前に置いてくれた。良く見ても、やっぱり普通のオムライスである。しかし、主の指は幽世の調べを奏でる。これが、ただのオムライスである可能性は限りなく低い。
 スプーンを握る手が僅かに震える。幽世珈琲と違って、本能的に何か危険な感じがする。
「い・・・いただきます」
 スプーンですくって、目を瞑り、素早く口に放り込んだ。次の瞬間――。
「ゲハッ!」
 オムライスを噴き出した。激しく咽せ、悶え苦しむマイは『み、水を・・・!』と主に助けを求めた。
「か、辛い・・・! なんですか、これ!!」
 主が持ってきた水を奪い取り、一気に飲み干す。だが、焼け石に水。口の中がひりひりと焼けるように痛かった。
「どう? なにか見えた?」
「見えるも何も、辛すぎて、分かりません! 一体、何を入れたんですか?!」
「タバスコ一本ぐらい」
 平然と主は言い放った。
「そんなものを・・・食べさせないで下さい・・・」
「ダメ?」
「全然ダメです・・・!」
「まぁ、タバスコ一本使うような料理じゃ、コストが悪いしね。やっぱり、ダメか」
 そんな問題ではない――と思ったが、もう口に出来ない。マイは力尽きて、コーヒーカップの姿に戻ってしまった。そのコーヒーカップが、少しだけ赤く見えるのは、気のせいだろうか?

 そんなこんなで、『地獄のオムライス』はボツとなった。



 END

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コメント(2件)

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『地獄の〜』(^^;)

で、思い出したけど、
曲渕から三瀬へ至る国道263号の途中に、『ころしのカレー』と書かれ、インディアンの横顔も書かれた看板が、かなり前にありました。
気になってたけど、もう無いと思う。
カレーだけに想像つくけど(^^
あかへ
2008/08/13 20:15
『ころしのカレー』・・・。
なぜにひらがな! なんだか、激しく負けた気がする・・・!
でも、なぜカレーなのにインディアンなんだろうか。
堕天王
2008/08/14 07:27

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