堕天王の逝く道

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zoom RSS 小説『群青色の空へ!』連載中

<<   作成日時 : 2007/12/07 21:32   >>

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今日、結局2時間の残業でした。
本当に、この季節になると忙しくなるものです。

では、小説を。

 群青色の空へ! その3

「・・・思い出せない? なぜ、ここにいるのか」
「ん・・・」
 思い起こしてみる。
 朝、トーストにジャムをつけて食べた。あのジャムは、料理長が丹精込めて作ったジャムでとっても美味しい。お気に入りである。その後、学校へ。
「学校?」
 学校に行っただろうか。何かが違う。飛竜に乗った所までは覚え――そこで、回路は繋がった。
「私! あ、い、い・・・きているんですよね?」
「えぇ、どう見ても」
「ヒューイは?!」
「大丈夫、深い傷は負っていないから」
「そう・・・ですか」
 思い出してしまった。あの日、学校には行っていない。現地集合だった。来月にある大会の会場――ラクショルス渓谷に。そして、彼女は落ちた。
「ご家族には連絡しているから、ゆっくりしていってね」
「はい・・・あの、名前・・・私は、アオイ=クールストです」
「あっ、名前、まだだったね。私は、ミナスよ」
「ありがとうございました。この恩はいつか必ず」
「そんなのいいわ。あなたと出会えたことが、神様からの最後のプレゼントだと私は思っているから」
 ミナスの言葉の意味を知るのは、もっと先の話である。

 体の節々が痛むが、別に骨折とかしているわけではないらしい。ミナスに許可をもらって、自力で外へと出る。細い川がさらさらと静かに流れている。小石ばかりで躓(つまづ)きそうになりながらも、羽を畳み丸くなっている小型のドラゴン、飛竜のヒューイの下へ。近づいても、ヒューイは顔を上げなかった。瞳をきつく閉じ、眠っている。もしかしたら、気付かない振りをしているのかもしれない。子供の頃から一緒に育ってきた姉妹のようなヒューイであるが、今は昔ほど仲良くはない。どちらかといえば、最悪の相性である。
「・・・いい迷惑よ。私、どんな顔して戻ればいいわけ」
 飛竜が落ちるなんてことは、あってはならないことである。竜騎士失格だ。養成学校に帰れば、間違いなく笑いものになる。
「死ねばよかったのにね」
 それは、自分も含めての言葉。アオイは、一定の距離を保ってヒューイを見続けた後、触れることなく小屋へと戻っていった。

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